東京事変が新作「スポーツ」

聴き続けてるよぉ♪
東京事変が新作「スポーツ」
5人の肉声、渦巻く熱気
メンバーとは「たとえば一緒に食事をした時に『これは官能的な味』とか、そういう本能的な、感じる部分が通じている」と語る椎名(左)とギターの浮雲=上甲鉄撮影
椎名林檎がボーカルを務める5人組バンド、東京事変が2年半ぶり、4作目のアルバム「スポーツ」(EMI)を出した。タイトル通り、肉感的で躍動するサウンドが詰まっている。椎名とギターの浮雲に聞いた。
ベースはうねり、ギターはビートにからみつく。キーボードは華麗に舞い、椎名の緊迫感のあるボーカルも一体となって、比類なき音世界を作り出す。オリコン初登場1位と、セールスも順調だ。
「教育」「大人(アダルト)」そして前作の「娯楽(バラエティ)」に続き、衛星放送の専門チャンネルを思わせる表題だ。椎名は「スポーツはいずれやろうと思っていた。スポーツだから、エネルギーがある時じゃないと。今がまさにその時だと判断できた」。
テーマに基づいてそれぞれが曲を持ち寄った。彼らなりの「スポーツ」の解釈が面白い。「なんてこの世は果てしないのだろう。」「なんてこの身は頼りないのだろう。」と歌うのは、1曲目の「生きる」。ゆったり始まるが、メンバーによるコーラス部分には複雑な編集を施している。そして途中から曲調ががらりと変わり、後半はビートが疾走する。「肉感的アルバムだっていう、舞台背景を見せるのに、みんなの肉声がほしかった。今回の(アルバム全体の)意思表示みたいな」と椎名は説明する。「閃光
せんこう
少女」では「私は今しか知らない 貴方の今に閃きたい」「これが最期だって光って居たい」と、燃えるような一瞬の生命のきらめきをつづる。作品全体に熱気や興奮が渦巻いている。浮雲のギターも攻撃的だ。「あまり激しい音を出したことのない人間ですが、スポーツだからちょっとやってみるかと」。椎名も「余地のないというような、厳しさが全体に漂ってるんじゃないか」。
椎名はソロとしても順調な活動を続け、昨年のアルバムではヒップホップやジャズ系のミュージシャンと共演し、バンドとは異なるサウンドを作り出した。ほかのメンバーも、売れっ子プロデューサーの亀田誠治ら、独自の音を持っている音楽家がそろう。浮雲は「そういう人たちが集まって何をするかという場所」が東京事変だと話す。椎名も「事変で、これいい曲だね、っていうものを作ってもしょうがない。面白くないと意味がない。カラオケでいつも歌ってますって、言っていただけない曲が多いし」。バンドでは思いっきり実験をしたい、その欲求が強く反映された力作だ。
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/music/cd/20100304-OYT8T00319.htm