技術と熱意が奇跡呼ぶ…転覆マグロ漁船、3日間の救出劇

abalone2007-03-01

人はこの救助劇を…
奇跡と呼ぶ!w

技術と熱意が奇跡呼ぶ…転覆マグロ漁船、3日間の救出劇

太平洋上を3日間漂流した3人が無事救助された宮崎県日向市漁協所属のマグロはえ縄漁船「幸吉丸」(9.1トン)の転覆事故。船長是沢幸広さん(48)(日向市細島)らが乗った救命ボートを12日に発見し、救助した第10管区海上保安本部(鹿児島)のヘリコプター「きんこう」の乗組員らが、救出劇の舞台裏を語った。

 縦横約2メートルという救命ボート。「海上に浮かぶボートを見つけるのは、プールサイドからプールに浮かぶチリを見つけるほど」と東京都の救命ボート製造会社が話すように、難行だった。

 幸吉丸は9日午前10時ごろ、種子島の南東沖で、貨物船「フェリーたかちほ」(3891トン)に衝突され大破した。11日に船体は見つかったが、近くに3人はいなかった。「転覆した船に救命ボートがない。3人は生きてるはずだ」。10管の捜索は船体から範囲を広げて行うことになった。

 10管は漂流予測プログラムを使い、9日から3日後のボートの位置を推定した。同プログラムは現場海域の風や潮の流れを解析し、海面に浮かぶ漂流物の位置を割り出す装置。宇治群島沖の東シナ海で昨年7月、ダイビング中に不明になった4人を13時間後に無事救助した際に貢献した。

 12日午前9時54分、巡視船「おおすみ」(3200トン、39人乗り)から「きんこう」は離陸した。プログラムがはじき出した場所を中心に捜索しながら、北北西方向に約20分間、約55キロ飛んだ。そこで副操縦士加藤直樹さん(37)が左前方約5キロのオレンジ色の点に目視で気付いた。

 「10時の方向にオレンジ色の点発見!」。10時13分、加藤さんが叫んだ。飛行時間6000時間というベテラン機長室屋達志さん(45)が急旋回させた。ボートに近づくにつれ、双眼鏡で点を追った後部座席の整備士が「イカダみたいだ」「人が見える」「手を振ってるぞ」と矢継ぎ早に声を上げた。

 「きんこう」から報告を受けた「おおすみ」の航空管制室では「やったぞ」と色めき立った。しかし、主計長の今別府済義さん(57)はまだ不安だった。1969年、長崎県・五島沖でのタンカー沈没事故で、救命胴衣を着て漂流した乗組員男性の救助に当たった。巡視船に引き揚げた途端、男性は力尽きて息を引き取った。苦い経験がよみがえった。「まだ気が抜けないぞ」と手に汗を握った。

 3人が「おおすみ」に到着した際、今別府さんは足がしびれて歩けないカメラマン林洋平さん(29)(福岡市中央区)の肩を抱いた。「君たちの『生きたい』という思いと、私たちの『見つけたい』と言う思いが通じたんだよ。気を抜かず、もう少し頑張れ」。そう声を掛けると、林さんは涙を流しながらうなずいた。

 「発見した後、海はしけてきそうだった。『これ以上、捜索が長引くと危ない』と思っていた。3日間べたなぎで幸運だった」と加藤さんは振り返る。「おおすみ」船長の赤塚浩一さん(57)は「海上保安官を30年以上やっているが、こんな幸運なことは初めて」と顔をほころばせた。

http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/046/046_070301.htm