アンダー・ウオーター・スピーカー

「アンダー・ウオーター・スピーカー」と呼ばれる装置で、高速船向けに川崎重工業が開発した。クジラは耳が良く、水中では音の伝達スピードが空中より5倍も速いことに着目。船内に信号発生器やアンプを搭載し、前部水中翼の先端から「ピー」という170デシベルの高音を発する仕組み。
・・・・・何十年間も4倍だと思ってますが!?本当に5倍早いの?

高音でクジラよけ、高速船ビートルに装備

クジラと高速旅客船の衝突事故が相次ぐ中、JR九州は、博多港と韓国・釜山を結ぶ高速船「ビートル」に、水中でクジラが嫌いな高音を発してクジラを遠ざける装置の取り付けを始めた。6日までに4隻のうち3隻の装備を終え、残る1隻にも近く搭載する。長年頭を痛めてきたクジラ対策の決め手にしたい考えだ。

 「アンダー・ウオーター・スピーカー」と呼ばれる装置で、高速船向けに川崎重工業が開発した。クジラは耳が良く、水中では音の伝達スピードが空中より5倍も速いことに着目。船内に信号発生器やアンプを搭載し、前部水中翼の先端から「ピー」という170デシベルの高音を発する仕組み。

 海中で通常聞こえる音の大きさは110〜120デシベル。クジラ類は140〜160デシベルの音で交信しているが、10デシベル増えると音量は4倍近くになり、170デシベルはクジラにとってかなり大きな音量となる。

 1基約1200万円と高額だが、JR九州では「安全をカネで買えるのなら」と導入を決めた。搭載するには船体を一部解体しなければならず、3月以降、定期検査を迎えたビートルに順次、取り付けている。

 時速約80キロのスピードで走る高速船にとって、突然、現れるクジラを避けるのは難しい。また、水中翼で船体を海面上に浮かせて走るため、水中翼がクジラと衝突すると大事故につながる。

 幸い、ビートルは1991年の就航以来、クジラとの衝突事故はない。しかし、ビートルと同じく博多〜釜山間を走る韓国の高速船「コビー」では4月末、クジラと衝突して日本人乗客17人が重軽傷を負う事故が起きた。新潟と佐渡を結ぶ佐渡汽船の高速船は92年9月、水中翼がクジラとぶつかって7人が負傷、95年11月にも13人が負傷した。

 佐渡汽船は96年に水中スピーカーを導入。同社高速船部の古川原芳明部長は「決定的な事故はないが、ニアミスはある。効果は何とも言えない」という。コビーは効果を見極めたうえで導入を検討するという。

 マリンワールド海の中道(福岡市)の藤丸侑技師は「クジラが体を休めて浮遊している時や、息継ぎに浮上する時に衝突するのではないか。クジラは超音波を飛ばし、はね返ってきた音で物体を認識するので、水中スピーカーの音は耳障りかもしれない」と言い、一定の効果があるとみる。

 ビートルの運航管理者を務めるJR九州船舶事業部の山本多喜夫・副課長は「スピーカーで100%安全とは言い切れない。見張りを強化し、機械と人間の目双方を使って事故を防ぐしかない」と話している。

 水中の音と海洋生物の関係に詳しい竹村暘(あきら)長崎大教授(音響生態学)の話「海中の音は1キロ程度しか届かない時もあれば、地球の裏側まで届くという説もあり、状況によって異なる。(ビートルが発する)170デシベルは、クジラが通常聞く音量の3.7倍にあたり、避けたがる音だろう。しかし、クジラの種類によって、同じ周波数でも聞こえるクジラもいれば、聞こえないクジラもいる。すべてのクジラに有効な音を出すのは難しい」

http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_05060621.htm